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敵キャラグランプリと登場ゲーム作品数に関係はあるのか?

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 2017年9月9日から同月29日まで、キデイランド18店舗で開催された敵キャラグランプリ。その結果が同年10月4日にエンスカイ公式アカウント(@Kirby_ensky)で発表されました。

結果はワドルディが1位、同時にワドルディ含む全エントリーキャラクターの票数も公開されました。

 この投票結果を見て私は「敵キャラグランプリの票数と、キャラクターの登場ゲーム作品数に相関関係はあるのだろうか?」と思い、各参戦キャラクターの敵キャラグランプリにおける票数と、それぞれの登場ゲーム作品数でクロスさせた散布図を作ることにしました。

表を作る前に

 それぞれのキャラクターの、ゲームにおける登場作品数を知るために今回はカービィwikiを利用しました。各キャラクターの記事を参照した結果、以下の通りになりました。範囲は『初代』から『すいこみ大作戦』までです。他の任天堂作品やスマブラシリーズは含めていません。

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 なお、ゲームにおける登場作品数はカービィwikiのものと比べ、少々増加しているキャラクターもいます。

結果

 先程の表に敵キャラグランプリにおける各キャラクターの票数を加えると以下の表となります。

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今回は相関関係を示すためにこの表を散布図で表しましょう。すると…

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 相関関係を表す相関係数、Rは0.56でした。相関係数は-1から1までの範囲に示され、今回の場合は強さとしてはそれなりの相関があると言えます。…がここからワドルディを除外して再度計算しますと

 

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なんと相関係数は0.19にまで下がってしまいました。

 これでは相関は殆どないと言えます。つまり、ゲームの作品数に多く登場したからと言って敵キャラグランプリで票数を沢山貰えた訳でもありませんし、またゲームにそれほど登場していないキャラが票を全然貰えないということでもないということです。ちょうど表の対角線にいるワドルディ「ゲームに出演すればする程票数が増える」法則がありそうだと誤解を招いていたのです。

 事実、6作品出演のマホロアは614票獲得し2位となっていますし、逆に22作品出演のウィスピーウッズは282票ですので感覚として相関関係がなさそうな雰囲気があります。

何を意味するのか

今回の調査からは次のことが言えます。

  1. ゲームに出演した「回数」は関係ない
  2. ゲームの他の要素が関係を及ぼした可能性は否定できない
  3. グッズがキャラクターの人気を上げたかは不明
  4. 食い合いは発生したか?
  5. そもそも標本の意図的抽出

1.ゲームに出演した「回数」は関係ない

これは先程から話していることです。数は重要ではありません。

2.ゲームの他の要素が関係を及ぼした可能性は否定できない

 しかしだからと言って、ゲームが人気に何も関係していないとは言っていません。否定されたのは「回数」だけです。どのキャラクターがどの作品でどのポジションにいたのか、出演した作品の売り上げはどれくらいか、まだまだ関係がありそうな要素はあります。

3.グッズがキャラクターの人気を上げたかは不明

 また、グッズがキャラクターの人気を高めたかは不明です。データにしていませんので断言は出来ませんが、例えばドロッチェは殆どグッズが出ていませんが今回の投票でかなりの票を獲得していました。クラッコも同じです。

4.食い合いは発生したか?

 『Wii』、『TDX』、『ロボプラ』ではそれぞれマホロア、タランザ、秘書スージーと立て続けに新キャラクターが登場しましたが、今回の投票ではマホロアに集中していました。これを食い合いと見るか、純粋な人気の反映と見るかは更なる調査が必要でしょう。他にも、敵キャラグランプリではデデデ大王やメタナイト、ダークマターなどは参戦していませんので彼らが参戦した場合に発生したであろう食い合いがどう影響を及ぼしたかなど、食い合いは発生したのか、もし食い合いが発生するならばどれほど影響を及ぼすかはこの表では分かりません。

5.そもそも標本の意図的抽出

 今回の敵キャラグランプリは純粋な人気投票ではありません。一位はグッズ化されるという報酬があった投票です。投票を作成した側が「誰がグッズ化しても利益が出せるキャラクターのみ抽出した」と捉えるのが普通です。つまり、これは『星のカービィ』シリーズの敵キャラという母集団から「利益を出せそうなキャラクター」のみ抽出した、標本の意図的抽出で成り立った表です。このことを忘れて無理にマイナーなキャラクターに適応させようとすると大きな齟齬が生まれる可能性があります。

 

 結論としては「ゲームの出演回数と票数に相関関係はない」となりましたが、それなりに人気のあるキャラクターのみで標本を作成したから言えた話です。とはいえ、敵キャラクターに関する人気は未知の領域が多く、今回の調査で僅かながらも分かった部分があることは確かです。わずかな収穫を求めて今後も投票、さらに言えば各投票対象の票数が分かればできる限り調査はしていきたい所です。