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『スターリーワールド』のスタッフを見ると、"本編"が別に動いていると言える6つの理由(ネタバレなし)

今回は『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド』(以下、『スターリーワールド』のスタッフを見ていきます。

この作品はまだ発売したばかりで、基本的に星のカービィシリーズのネタバレ規制は日本でも海外でも1ヶ月程度あります(程度は地域によって異なりますが)。

ただ、スタッフについては別に問題ないだろうという考えで投稿します。

調べている中、X(Twitter)ではぼそっと言ったのですが、「これは本編は別で動いているな」と思いました。

今回はその話の理由についてご説明させていただきます。

名前の明記が多いため、申し訳ございませんが敬称略とさせていただきます。

理由その①:ディレクターがカービィファイターズ2と同じ

第一に『スターリーワールド』のディレクターは2020年9月発売の『カービィファイターズ2』と同じです。 東藤由実(とうどう ゆみ)、川合匡史(かわい ただし)両名のパターンはこれだけです。

これだけでもいいのですが、他にもあるので挙げていきます。

kirby.fandom.com

理由その②:レベルデザインの担当が大きく変わった

元々カービィシリーズ本編のレベルデザインは、2014年1月発売の『星のカービィ トリプルデラックス』以降遠藤裕貴(えんどう ゆうき)が常に関わり続けてきました。

下の表は遠藤の経歴で、内、レベルデザインと付く担当は強調しております。

発売日 タイトル 役職
2011/10/27 星のカービィ Wii アシスタントディレクター
2012/07/19 星のカービィ 20周年スペシャルコレクション レベルデザインアドバイザー
2014/01/11 星のカービィ トリプルデラックス リードレベルデザイン
2014/07/23 カービィファイターズZ アシスタントディレクター
2014/07/23 デデデ大王のデデデでデンZ リードレベルデザイン
2016/01/06 ハコボーイ! もうひとハコ ハコ漫画 - 原案
2016/04/28 星のカービィ ロボボプラネット レベルデザインディレクター
2017/02/02 さよなら! ハコボーイ! ハコまんが - 原案
2017/04/13 みんなで!カービィハンターズZ スペシャルサンクス
2017/07/04 カービィのすいこみ大作戦 スペシャルサンクス
2017/11/30 カービィ バトルデラックス! スペシャルサンクス
2018/03/16 星のカービィ スターアライズ レベルデザインディレクター
2019/04/26 ハコボーイ!&ハコガール! ハコまんが - 原案
2020/09/24 カービィファイターズ2 スペシャルサンクス
2022/03/25 星のカービィ ディスカバリー レベルデザインディレクター
2023/02/24 星のカービィWii デラックス レベルデザインディレクター

そんな遠藤は『スターリーワールド』ではレベルデザインアドバイザーになっております。

ではレベルデザインの担当は誰かといいますと、『ディスカバリー』で初登場した坂本竜輔(さかもと りゅうすけ)です。

この、レベルデザインは誰か別の人が行い、遠藤はアドバイザーという形は2012年7月発売の『星のカービィ 20周年スペシャルコレクション』でもあった形式です。

『20周年スペシャルコレクション』時は、浜田隆史(はまだ たかし。現在は退社し、ギフトテンインダストリ代表取締役)がレベルデザインを務めており、アドバイザーは遠藤のみならず任天堂の方もおりました。

13年前と比べると、今度は任天堂の方がおらず遠藤の裁量が拡大していることが考えられます。

理由その③:主要スタッフがスペシャルサンクスや控えめな役割に

スペシャルサンクスは扱いが難しいですが、参考になります。

『スターリーワールド』ではスペシャルサンクスの最初は

  • 『ディスカバリー』でディレクターを務めた神山達哉(かみやま たつや)
  • 『ディスカバリー』などでアートディレクターを務めたファーマン力(ふぁーまん りき)
  • 『ディスカバリー』など数多くの作品でリードキャラクターアーティストを務めた北健一郎(きた けんいちろう)

が出ており、今回は前面に出ていないことが読み取れますね。

また、スペシャルサンクス以外もよく見ますと、これまでのカービィシリーズで大きな役割を果たしてきた方々がプログラムやアートの担当で、しかも後半部分にクレジットされていることが見えます。

  • 長年リードアクションプログラムという独自の役割を持ってきた住友克禎(すみとも かつよし)がプログラム担当に
  • 2014年7月発売の『カービィファイターズZ』以降多くの作品でプログラムディレクターを担当した大西洋(おおにし ひろし)がプログラム担当に
  • 『ディスカバリー』でリードフィールドアーティストを務めた森下大輔(もりした だいすけ)がフィールドアーティストに

理由その④:テクニカル、アートディレクターが異なる

基本的にどのゲーム開発でもそうだと思いますが、ハル研究所も初期段階はディレクター、テクニカル(プログラム)ディレクター、アートディレクター、サウンドが組んで企画を作り上げます。

スターリーワールドだと

  • テクニカルディレクターは若山慎弥
  • アートディレクターは村木菜津弥

です。若山は最近のスタッフ事情が詳しい方でもピンとこない方が殆どだと思います(私も初見時、経歴を思い出せませんでした)。若山は2014年1月発売の『星のカービィ トリプルデラックス』でスペシャルサンクス、2020年10月発売のNintendo Switch版『はたらくUFO』でプログラムを担当していました。

一方アートディレクターの村木は『ディスカバリー』でもリードプロシージャルアーティストでした。(※プロシージャル…アルゴリズムやルールに基づいてデータやコンテンツ、テクスチャを自動的に生成する技術。)

これまでディレクターではなかった方が全体の統括をされているので、そういう点からも別ラインと考えられます。

理由その⑤:サウンドが外部の加藤&外伝の大原にシフト

『ディスカバリー』は小笠原雄太と下岡優希が活躍されておりましたが、『スターリーワールド』ではリードサウンドは加藤優貴と大原萌に変わりました。

小笠原はサウンドマネージメントに、下岡はサウンドに移りました。

理由その⑥:全体的に新しい方が多い

ここ5年でハル研究所は人員が急激に増えましたが、『スターリーワールド』でも最近の方が制作に携わっているであろうことが分かります。

  • プログラムサポートの塩田悠真(しおた ゆうま)
  • キャラクターアーティストの秦二男(はた つぎお)、下村和也(しもむら かずや)、プンインシェック
  • フィールドアーティストの広尾原(ひろお もとし)、神谷佳直(かみや よしなお)、末貞亜弥美(すえさだ あやみ)
  • テクニカルアーティストの前田信輝(まえだ のぶてる)
  • サウンドサポートの兒玉もも(こだま もも)
  • アートワークの鶴間春花(つるま はるか)、岡川由依(おかかわ ゆい)

以上がこちらで確認できました。

話題はずれますが、サウンドサポートの兒玉ですが、恐らく2024年の新人研修記事を書いたサウンドデザインの「K」と同一人物ではないかと推測しております。

web.archive.org

この記事は当時「Wiiデラックスのサウンドを担当した加藤が書いたのではないか?」という推測もございました。

が、①実際に新人と明確に言える兒玉がスタッフクレジットで確認できたこと、②加藤は中途と考えられるが記事内で自分は中途だと説明する箇所が全くない、これらの理由から私はこの記事は兒玉が書いたと予想しております。

外伝やHAL Eggなども取り込んでいく?

以上6つの理由

  1. ディレクターがカービィファイターズ2と同じ
  2. レベルデザインの担当が大きく変わった
  3. 主要スタッフがスペシャルサンクスや控えめな役割に
  4. テクニカル、アートディレクターが異なる
  5. サウンドが外部の加藤&外伝の大原にシフト
  6. 全体的に新しい方が多い

から、『スターリーワールド』は本編とは別ラインで開発していた説を考えております。

私は2025年に星のカービィの新作はないだろうと思ってました。その予想は外れましたがこのスタッフを見ると、予想は外れましたが認識は間違っていなさそうだなと思っています。

note.com

どちらにせよ、こういう予想記事でファンが求めるような大作が2025年に来る!と言う気は当時起こりませんでした(あったならばこんなネガティブな書き方してませんし)。

気になるのは、『歩数で勝負!!カメさんぽ』を作られていた鈴木輝彦(すずき てるひこ)、ハコボーイシリーズにも関わっていた鯉沼拓(こいぬま たく)、『タッチ!カービィ スーパーレインボー』のディレクターだった増田一繁(ますだ かずしげ)などもいることから、私はこのラインは外伝制作やカービィ以外に携わっていた方も積極的に取り込んでいる節が見受けられます

かつて、私は『カービィのグルメフェス』のスタッフを見る中、東京系のスタッフがどこにいったのかの疑問を出しておりましたが、その答えは「カービィ本編に統合された」と言えるかもしれません。

カービィ以外のシリーズについても現状展開が見られない(ゲームフリークと比べると対照的かも知れません)状況です。

ただ今後、5年10年と考えて新規IPが軌道に乗って利益の柱になるか…と考えますとそれは難しいと思います。

ならば星のカービィシリーズというハル研究所にとってなくてはならない利益の柱を、より強固なものとするために人、モノ、カネなど資源を投入することが最善の選択と言えるでしょう。

ハル研究所はゲームフリーク程圧倒的に売れるタイトルを持っている訳ではありません。

勿論、新規IPなどの実験は継続すべきでしょうが、配分の問題だと思います。

以上、スターリーワールドのスタッフを見た件でした。