2017年8月22日にハル研究所公式サイト、公式Twitterアカウントで公開されたHAL Egg。ハル研究所は和議申請をしてから任天堂の出す据置・携帯ゲーム機でゲーム作品や開発環境を出す会社として動き続けてきましたが、今回は「スマートフォン向け新規キャラクターのゲームアプリ」でした。近頃、ハル研究所は経営面ではブランドマネジメント課の活躍や、監査役の変更、作品面では新たなIP『ハコボーイ!』シリーズの展開、その間接的なスマートフォンアプリの登場*1など様々な活動を見せております。「カービィのゲーム専門の」という修飾子は現状にそぐわないものとなっていました。
そんな中発表された、ハル研究所のスマホ進出ですが一番注目を浴びたのはやはりこのロゴでしょう。
出典:スマートフォン向け新規キャラクターゲームアプリを開発中! | ハル研ブログ | ハル研究所
このロゴとハル研究所のシンボルマーク、「犬たまご」を比較すると1つの考察に行き着くからです。
ハル研究所のシンボルマークは、卵を温める犬です。その卵から芽が出てきたのです。一見すると奇妙な話に思われるかも知れませんが、そもそも哺乳類である犬が卵を温めるということ自体が思いがけない結び付きです。今回の芽が出てる卵も"まだ見たこともない、新しい楽しさ"に繋がっていると考えればおかしな話ではないと思います。
話は変わりますが、『星のカービィ』シリーズのゼネラルディレクター、熊崎信也はハコチャンネル*2においてキュービィの「新しい物を作るときはどんな感じだったんですか?」という質問に対しこのように答えていました。
【ハコボーイ!】アレのあいことば発表有り!?センパイみたいに人気者になりたいんです!PART2#17
キュービィ:カービィのレースとか、ボールとか色んなシリーズがあるんですけど
新しい物を作るときはどんな感じだったんですか?
熊崎:元々は遊びありきじゃないですか。カービィでっていう場合はカービィを生かしたものですよね。
例えばカービィが食べ物を食べるキャラなら食べ物にまつわるゲームがあるとしたら相性が良いとか。別であったとしたら、新しいレースゲームやパズルゲームの企画が出来て
この要素って例えば2つの要素を組み合わせた、新たなものが生まれる
パズルゲームだったらこれ、コピー能力に見えるよねってことで合わせるとか。無理やり合わせることはないんですよね。新しいゲームありきか、カービィでこれやったら良いよねってのが合わさった時に生まれる。
上記動画より4:09~4:54を書き起こし。一部表現を削除
新しいゲーム、遊びが生まれたからゲームを作るという姿勢がハル研究所にはあります。*3今回のスマホ進出は端から見れば、ニュートンの林檎の話のように突然の出来事のように写ります。ですが、それはニュートンがケプラーの法則や自然哲学に関する研究を温めてたから出来た話です。同じように新たなゲームが生まれるには試行錯誤を重ね、良いアイデアは熟成させる必要があります。地道な育成が功を奏した結果があの芽が出た卵なのでしょう。