(出典:『星のカービィ ロボボプラネット』発売! | ハル研ブログ | ハル研究所)
今まで私はHAL研のダイアリーのアーカイブから、数多くのスタッフによって投稿された2000年から2016年までの記事を見てきました。そこから1つ、分かったことがあります。今回はそれについて書き記していきたいと思います。
2017/2/4…野下 徹也の入社年のソースが確認できなかったため対象外とし、末継 和也の入社年を2013年へと修正しました。よって、特定率は61%となりましたが、平均入社年は変わっていません。
2016/8/7…8月7日に設定したフォーマットに従い、文末形式を「です・ます」調に変更しました。
入社年の特定をしてみる
筆者はハル研究所ダイアリーのアーカイブ化された記事を見て、1つ、このようなことを思いつきました。「入社年の特定をしてみよう」と。入社年さえ分かればその人がどれだけの期間開発に携わったのか判明するからです。HAL研は新人研修などで新入社員が記事を投稿するのが習慣になっており、しかも一覧表示の時点で職種・苗字が記載されています。この習慣を利用しようと考えたのです。
特定作業
しかし、そんな都合よくロボプラに関わった社員が記事を投稿してくれるとは最初から思っていませんでした。HAL研の社員は100名を超え、離職率が低いことで有名な会社ではありません。セールスポイントとして「入社3年後定着率90%以上」を掲げていますが、これは入社直後から3年経つまでの離職率が低くないことを示唆しているでしょう。事実、記事を投稿した新入社員を以降のゲーム開発で一度も目にしない現象を筆者は何度も見てきました。
ところが、最終的に61%もの開発スタッフの入社年を特定できました。
作業の結果
スペシャルサンクスの最後にいる服部由里絵以降の方々、株式会社D.A.Gとそのスタッフ、大本眞基子、麦人などHAL研に所属していない、もしくはプロデューサーなど開発に直接関係していない人は全て除いた上での61%となります。
以降は、特定できた人の名前と大括弧内に担当、括弧内に入社年をひたすら載せていきます。なお、ディレクターはD、リードはLと略し、それぞれ文字色を赤、青に変えました。
- 熊崎 信也[ゼネラルD](2002)
- 神山 達哉[シーケンスD](2006)
- 遠藤 裕貴[レベルデザインD](2006)
- 渡辺 豊[レベルデザイン](2009)
- 向江 康博[セクションD](2004)
- 東藤 由実[セクションD](2008)
- 永田 善裕[プログラムD](2008)
- 住友 克禎[Lアクションプログラム](2003)
- 西村 悠樹[Lプログラム](2005)
- 川路 慎一[Lプログラム](2005)
- 大西 洋[Lプログラム](2008)
- 末継 和也[プログラム](2013)
- 八坂 俊[プログラム](2013)
- 山下 晃弘[プログラム](2014)
- 野末 高士[プログラム](2007)
- 加藤 歩[プログラム](2012)
- 河原 孝章[プログラム](2001)
- 内田 瑠依[プログラム](2010)
- 前嶋 雅也[プログラム](2013)
- 平田 雄大[プログラム](2012)
- 田島 洸城[プログラム](2013)
- 松浦 萌奈美[デザインD](2003)
- 北 健一郎[Lデザイン](1995)
- 藤田 剛志[Lデザイン](2006)
- 大田 裕介[Lデザイン](2007)
- 伊藤 春香[Lデザイン](2007)
- 川上 雄太[Lデザイン](2009)
- 佐藤 悦子[デザイン](2013)
- 伊藤 仁[デザイン](2012)
- ファーマン 力[デザイン](2009)
- 佐久間 健一[デザイン](2012)
- 鈴木 輝彦[デザイン](2000)
- 大森 香菜子[デザイン](2009)
- 菅野 晃宏[Lモチーフデザイン](2009)
- 本田 優紀[モチーフデザイン](2008)
- 南 知臣[モチーフデザイン](1997)
- 剣持 紫[LUIデザイン](2006)
- 河田 茂幸[UIデザイン](2005)
- 塩野 佑莉[UIデザイン](2014)
- 安藤 浩和[Lサウンド](1991)
- 石川 淳[サウンド](1990)
- 鶴岡 友和[テクニカルサポート](2000)
- 村瀬 達哉[テクニカルサポート](2000)
- 安部 拓也[テクニカルサポート](2008)
- 安原 由貴[テクニカルサポート](2013)
- 吉田 悟[テクニカルサポート](2012)
- 峰村 智大[パブリックリレーションズ](2003)
- 仲上 雅代[アートワーク](2005)
- 川原 理恵子[アートワーク](2005)
- 佐野 由美子[アートワーク](2008)
- 矢田 優紀[アートワーク](2013)
- 藤江 宏志[スペシャルサンクス](2000)
- 谷藤 圭太[スペシャルサンクス](2010)
- 中野 宏晃[スペシャルサンクス](2006)
- 福永 洋介[スペシャルサンクス](2008)
- 松尾 龍星[スペシャルサンクス](2007)
- 阿部 晴香[スペシャルサンクス](2010)
- 佐藤 真美子[スペシャルサンクス](2014)
- 夏見 勇矢[スペシャルサンクス](2015)
- 桐野江 司[スペシャルサンクス](2015)
- 小野 早央里[スペシャルサンクス](2015)
結果
平均入社年:2007
ディレクター・リードの平均入社年:2005
特定率:61%
余談:ムービー担当について
今作のスタッフリストのムービーはD・A・Gが担当しました。。そのため、ムービー載っている人達も全員がD.A.G社員です。
第十一話「情熱」
D・A・G 笹岡晃子 角田匠也 高橋夏海
第十二話「貴方に微笑む」
D・A・G 松嶋古記 笹岡晃子 海部瑞帆
(出典:結城友奈は勇者である - アニメスタッフデータベース - Seesaa Wiki(ウィキ))
鈴木 大介のみ発見できませんでした。そのため、彼だけは根拠なしとなってしまいましたがD・A・G社員に挟まれる形でスタッフリストに載っていたことを踏まえますと、HAL研社員とは考えられず、消去法でD・A・G社員とするのが適切でしょう。
『ロボプラ』の開発体制
『ロボプラ』の開発スタッフの6割は、平均入社年が2007、つまり平均勤続年数が8年と計算できます。。注意しなければならないのは、これはあくまでもその6割だけを考慮したものだということです。。羽生 昭夫、橋口 茂、高橋 芳美、乙黒 誠二、若山 強、橋倉 正、石田 聡、池上 正、田上 達宏、望月 哲也、高橋 功など入社年は特定できませんでしたが、1980~1990年代に入社していることが確定している古参社員は十数人程残っています。
これらの事実を踏まえた上で考察すると、『ロボプラ』の開発は2000年代入社のスタッフの一部が主導し、2000年代、2010年代入社のスタッフが開発を支え、1990年代入社のスタッフが音楽を作り、1980~1990年代入社のスタッフがそれらをサポートする という体制で作られていたとまとめるのが適切でしょう。